今は昔。

高校生のときに、母親に自慰行為が見つかりし男の語(こと)。

 


 

 

実家に台所と居間とをつなぐ廊下あり。

 

居間には唯一のビデオデッキがありて、高校生の頃には親が不在の隙あらば、

 

ビデオを観たりてそこで抜くと云ふ、パブロフの犬の如き習性が身につきけり。

 

 

しからばそのパブロフも忠犬まで育たば、

 

母が台所に在る間に抜かむと思ひ、

 

ヘッドフォンをつけてAVを見ながらシコりたれば、

 

 

「ガチャ」

 

 

と台所のドアが開く音が響きけり。

 

 

 

事前のイメージトレーニングとしては、

 

母が台所から居間への廊下を歩く間に、

 

リモコンにてパッとNHKなどにチャンネルを変へつつズボンを履きて、

 

ヘッドホンのジャックをテレビから引き抜きて脇に捨てやり、

 

「飯まだ?」

 

みたいな感じで自然にやりたしかど、

 

その日は手元が狂ひて、最初にヘッドホンのジャックを引き抜きにけり。

 

 

突如、家中に「アーンアーン」という嬌声を響かせながら、

 

チャンネルもそのままに変える事叶わず、

 

シーマンの如く頭よりヘッドフォンのジャックを振り乱しながら、

 

混乱を極めズボンも履けずに尻を出してうつぶせでもがくことしばらく、

 

 

「ご飯よ」

 

 

と一言云ひて母は去りにけり。

 

 

第一回下試し(しもだめし)より〜

 

音声はこちらから。

 

 

下ネタから日常を覗く、下試し(しもだめし)。

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