今は昔。

最近になって父親が包茎手術をしたという男の話。


もう70歳になる親父が包茎手術をしたと風の噂で聞いて。

何か病気でもしたのかと心配になって、九州に帰省した際に聞いてみたんですね。「なんで包茎手術したの」って。そしたら、

「これから介護とかしてもらう時、包茎やったらカッコ悪かろうもん」

って言ったんです。

予想以上に前向きな答えに、なんかこう、粋だなぁって思って。

最近は高齢者の医療費問題とか、若者への年金の負担がどうとか、歳を取ることに対して、ネガティブな面だけがクローズアップされることが多いと思うんですけど、こういう味わい深い物語もあるんだなーって。

そんな帰りの飛行機の中で思い出したのが、小学校くらいのときですかね。

お風呂に入っている時、親父が私のチンチンの皮を突然ピーって引張って、

「あー、こら切らやんばい」

って言ったんです。

その時の恐怖を今でも鮮明に覚えてるんですけど、今思うと、そう言う親父もまだ切ってなかったんだなと。

何というか、しみじみと時空を超えた良い帰省だったなって思いました。

〜第五回下試し(しもだめし)より〜

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