今は昔。
個室ビデオのホスピタリティー(おもてなし)が凄いことになっていると語る男の話。
個室ビデオって言うのは、作りは漫画喫茶なんですけど、基本的にはAVを借りてオナニーをする場所です。
よく繁華街にサラリーマン金太郎みたいな看板があるじゃないですか。
ああいうところに行くと、まず小さいTUTAYAみたいなコーナーからAVを選ぶんですけど、その時にレジで「これください」ってテンガ(TENGA)も一緒に買えるんですよ。
TENGA ディープスロート・カップ 550円
それでDVDとTENGAを一緒のカゴに入れてもらって、個室まで行くんですけど、そのDVDをデッキに入れようとカゴから取り出すと、
DVDの下にコンドームが3つ置いてあるんです。
一人でAVを観るだけなのに・・・?って一瞬、本当に一瞬だけ考えるんですけど、すぐに本能で分かるんですよね、ピンと。
「・・・あっ!ゴム付けたら4回できるじゃんっ!」って。
・・・念のために少しだけ説明すると、
ゴムをつけてTENGAを使えば、3回はゴムに出して、最後の1回はTENGAの中に出すから、1つのTENGAで合計4回楽しめちゃうわけで。
あ、こいつは凄いやって。
さすがはホスピタリティーの国やで、って。
頼んでもいないし、説明もないけど、おもてなしのコンドームが忖度(そんたく)してくるわけです。
−−−確かに一流のおもてなし技術ですね。
それで一通りの忖度(行為)を終えて、そろそろ帰ろうかなと箱から伝票を取り出すと、なんと今度は、
伝票の下におしぼりが置いてあるんです。
まるで、
「お疲れ様」
という声がフロントから聞こえてきた気がしました。
言葉が交わされない空間に何重にも張り巡らされたホスピタリティーに感動して、次の日、会社の同僚にその話をしたんです。
そのとき、「ゴムが3個とテンガが1個で、さあ何回できるでしょう?」とクイズ形式で話をすると、
その同僚は長い時間考え込み、
「何回も?」
って言ったんです。
なんて夢のある回答だな、なんて思ってたんですけど、その同僚は今うつ病で休職しています。
〜第五回下試し(しもだめし)より〜
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