今は昔。

縄目が無いと興奮しないというコアな中年男性が語るSM論。


例えばですけど、流れでホテルに行くとロウソクとか無いでしょ。

それで、ベッドの横に電球があるじゃないですか。あれの傘を外してビュッて相手につけると、ロウソクの代わりになるわけですよ。

本物のローソクはホテルを汚すのであまりよろしくないですし。

ちなみに通常のロウソクの温度は60度から65度で、SM用の低温ローソクだと43度で溶けるんですよ。それを60センチくらい離して垂らすと、肌につく時にだいたい36度ぐらいになる。だからロウを剥いだ後ってヤケドになってないんですよね。

あれは熱いって思ってるだけで、熱くはないんですよ、本来。これを応用するとどういうことになるかっていうと、

まず縛るじゃないですか。

それでそのあとライターの火を見せて、それで近くにあった鉄の棒かなんかを湯気が出るぐらいまであぶって、

「これをつけるぞ、熱いぞ」って脅して。

それで目隠しをしたまま冷蔵庫から氷を取り出してピュッてつけると、だいたいの人は「熱い」って言う。

絶対に熱いモノをつけられると思って。冷たいはずなのに熱いって。

この辺がやっぱり精神的に高度に遊べるところですね。

−−−なるほど・・・。

通常の気持ちいいだと「0」から「100」になって「100」気持ち良くなる。

SMってのはこう、Mの人は苦しいマイナスの所からいくから、

「100」下げてから「100」上げるので振れ幅として「200」気持ちいわけ。

でね、みんな痛いと痛くないの間っていうのを分かってないんですよ。

ブドウでもそうだけど皮と実の間が一番甘くておいしいわけでしょ?そうすると痛いと痛くないの間のここが一番気持ちいいわけ。

−−−・・・・?

・・・コイツ何言ってんだって顔してますけど、基本的には臨死体験ってことは苦しいはずですよね。

でも死ぬのにもかかわらずお花畑があって、心地よい気分でって、あれね、臨死体験のここの部分の気持ち良さ。

あれを縛られて五感をね、視覚とかそういうの遮断してあげて、少ない感覚だけにしてそれを強引に疑似体験させるっていうのがSMの遊び。

———たしかに捕食される瞬間のシカは絶頂を迎えて射精しているとか言いますね・・・。

だから最終的に死ぬ瞬間っていうのは多分気持ちいいんでしょう。

僕は死んだことないからわかりませんけど。

SMっていうのはそれを疑似体験させて気持ちよくさせる。

通常の絶頂よりも相手をより気持ちよくさせる。こういう話です。

で、ここまでだいたい説明すると「やってみたい」っていう話になって、そうすると普通の金額で女性を呼んで縛れる、こういう話になるわけです。

———お金が浮くわけですね。

通常のSM料金より安くできます。

−−−なるほど。

第三回下試し(しもだめし)より〜

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