今は昔。

初めて触った精子が自分のモノではなかったという男のお話。


さっきから皆さんの精通話を聞いていて思い出したのが、

初めて精子を触ったのは自分のじゃなかったって言う・・・

———えっ?

中1のときに、いつもビリー・ジョエルのレコードを一緒に聞いて「いいね」なんて言ってたはず友人Aくんが、とつぜん相談があると。

「なに?」って聞いたら、

「なんかさぁ、出るんだよね」って。

———あー、最初はみんな不安ですよね。

それで、ちょっと見てほしいと。

———その発想はなかったですね。

当時はよくわからずに「あ、そうなの」って言って。

それで彼が「ちょっと待ってて」って言って部屋から出て行ったんですよ。

で、帰ってきて「これなんだけど」って紙の上に液体が乗っているの出されて。

俺、ほんとうに何か知らなくて。

「なに、これ?」って触ってみたんですよね。

なんかニュルニュルしてて。それで、今考えてると屈辱的なのが、

「匂い嗅いでみて」

って。

———A君は何がそこまで不安だったんですか?

それで、その後の記憶が途切れてるんですけど・・・。

———・・・まぁ、それこそある意味甘酸っぱいお話というか・・・

甘酸っぱいけど、今考えたらすっごく犯された感があるかなと思う。

初めてがそれかみたいな。

———えっ、初めて!?

イヤイヤ、初めて精子さわったのが……。

ちなみに他人のって触ったことありますか?

———言われてみるとそんな機会ないですね。

自分のより先に、他人のだったって言うのがまた余計にね。

若さゆえの無知が故に。

〜第四回下試し(しもだめし)より〜

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